【漢方通信5月号】便秘は合図、心と身体のSOS(便秘 ダイエット)

query_builder 2022/05/02
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春は(暦の上では5月4日まで)、新入学・進級・就職など、希望と不安が入り混じる時期です。心身の体調不調が起きやすく、昔から五月病などと呼ばれます。


その対応・治療は、患者様の心にまず寄り添うことから始まります。


今年は特に、便秘や下痢などの便通異常を訴える患者様が多い印象を受けます。


コロナによる生活習慣の変化が、それを助長しているのかも知れません。



便通異常は、感情の乱れから起きることがあります。

ストレスに身体が負けはじめると、まず、お腹の膨満感が起こります。

お腹が張る・ガスがたまる(おならが多くなる)などを訴え、便がすっきり出なくなります。便秘と下痢をくり返す状況です。


そんなストレス初期症状は、香りの良い生薬を配合した香蘇散(こうそさん)などで対応してください。

ミントなどのハーブティーを同時にとるのも、良いことです


それが悪化したとき、精神不調(イライラ・落ち込み)が現れます。


さらに悪化すれば、イライラに加え、心のあせりが生じ、ひとりごとが多くなり、心身のバランスが大きく乱れます。


同時に、ほとんどの方が強い便秘に悩まされます。

便秘をそのままにしておくと、不調が長引きます。


抗ストレスの配合を持ち、同時に瀉下薬を配合した、大柴胡湯(だいさいことう)を用います。

意図的に下痢をさせることで、症状改善を図ります。

これを服用し、便通を待ち、排便後に不調が和らげば、短期間服用の後(1日~10日程)、他薬に切り替えます。



春から夏に向かう季節、気温の上昇から、のぼせの不快症状が起きやすくなります。そんなとき、便秘も起きやすくなります。

これは、身体の熱をうまく処理(排除)出来なくなったためです。


生薬・ダイオウ(大黄)を配合した、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)や、センナを用いた製剤で、便秘を改善してください。

そうすれば、身体の熱感がおさまるでしょう。


30歳後半から老いに向かうときも、便の不調が現れることがあります。

老いは肌に反映し、うるおい肌が失われます。

それは全身に起こるため、腸管も同様、ウサギのうんちのようなコロコロ便(粒状便)になりがちです。


腸管に油分を運びスルリと便を出す、漢方薬・麻子仁丸(ましにんがん)を用いると良いでしょう。

腸管や肌に潤いを戻すために、折衝飲(せっしょういん)や杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)を同時に用いるのが求められます。


それは、便秘の根本治療を考えての対応です。


ダイエット薬とされる防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)も、下剤が配合されています。

これは、身体の停滞物を(便・尿・汗)で排除することで、体循環を蘇らせて健康に戻します。


停滞物排除から、体重も落ちますが、停滞物がなくなって健康に向かい出したら、服用を止めると良いでしょう。

良い代謝を維持すれば、肌は輝き、体重が短期間で増加することもないでしょう。


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