【漢方通信9月号】ウイルス感染拡大が心配な秋、大気の乾燥
行動制限のない夏が過ぎ
8月は感染者数が多いまま推移しています
累計感染者は1千800万人
を突破したとされ(8月25日現在)
止む気配がありません
秋からは大気の乾燥が原因となり
呼吸器の変調を抱えやすい時期になります
咳・喉の痛みなどを示す発熱性ウイルス感染
(コロナウイルス、インフルエンザ)が
さらに増えることが予想されます
病院・薬局を含めた医療機関は
訪れる患者様の対応に苦しんでいます
コロナの後遺症については
漢方薬の良い結果が報告され始めました
私たち漢方に携わる者も
それら情報を漢方薬の性質上正しいかどうか
解釈しながら適切な医薬品を提供したいと思います
コロナウイルスに感染し不調に苦しみ
その後陰性になっても「咳が続く」
「水気の感じない咳・空咳・声枯れ」
の不調があるのなら
麦門冬湯(ばくもんどうとう)を服用してください
服用するとすぐ、喉に潤いが戻る感覚を得ます
2~3日でやめてしまわないでください
熱性ウイルスが肺を機能低下させたための不調なので
(風熱の邪による肺陰の損傷)
1ヶ月以上(~3ヶ月)服用してください
その状態(喉不調)で、付帯症状がある場合もあります
上述の喉不調に、「発作的な咳を繰返す」
の不調が重なるなら麦門冬湯に
咳止めの要薬である麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
を併用してください
喉の不調に、「夕刻から夜間の発熱を繰返す」が重なるなら
熱性ウイルスの基本対応になる
銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)や
銀翹散(ぎんぎょうさん)を併用してください
現在、コロナウイルスに良いという効能
(厚生労働省付与)が書かれた漢方薬はありません
甘んじてひとの苦しみを見たくはありません
漢方薬の性質を知り、製品効能と照らし合わせ
苦しむかたの不調を和らげたいと思います
麦門冬湯の製品効能は
「空咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声」
麻杏甘石湯の製品効能は
「咳、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、感冒、痔の痛み」
銀翹解毒散の製品効能は「風邪による喉の痛み
咳・口(喉)の渇き・頭痛」です
コロナウイルス感染後、陰性になった後も
発熱が続くなら(特に夕刻~夜間の)心配から
心が圧し潰されそうに感じるでしょう
漢方の解熱薬のジリュウ(地竜/医薬品)に
基本薬の銀翹解毒散を2週間ほど併用することで
不調改善に努力しましょう
2年前、中国の医療機関で感染者が
次々と命を落としていた頃
清肺排毒湯という薬が開発されたと報道されました
日本では手に入りませんが
それが欲しいという要望もあります
「発熱」「嘔吐(下痢)」「ノドの不調(セキ、痛み)」
「呼吸の浅さ(肺炎)」の不調がすべてあるとき
に役立つもので、予防に役立つものではありません
コロナ後、体調不良でこころまで圧し潰されそうに感じるとき
どうか一心堂薬局でご相談ください
適切な漢方薬を用い、不調からの回復を
皆様とともに喜びたいと思います
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