【漢方通信11月号】寒暖差疲労

query_builder 2022/11/02
ブログ
寒暖差

この秋、夏を思わす暑さと、真冬を思わす寒さが

交互に訪れ、温度差が極端に大きくなる傾向があります


激しく変わる気温に身体が対応出来ず悲鳴をあげている状態で

「疲れが抜けない」「心まで疲れてきた」の訴えが増えています


これを世間では、寒暖差疲労と呼びはじめました



厳しい寒さに向かう季節なのは間違いありませんから

生活習慣と食生活で、寒さを緩和する対応が必要です



このような不調を抱えた場合、漢方薬が素早く働きかけ

皆さんのお役に立つものと思います



寒暖の差が激しいときに心身の不調が起きやすくなりますが

急な寒さから血管が収縮するため

血液循環がうまくいかなくなることが原因とされます



西洋医学的な見方では「小さな不調」に思えるものも

不調を抱える本人にとっては重大な事態です



血行促進薬であるトウキを配合した

漢方薬で対応してください


トウキを主薬にした漢方薬・四物湯(しもつとう)

を服用すれば、寒さで滞りがちだった血流がうながされ

悩んでいた様々な不調が消えていきます


3日ほど服用すれば、だるさ緩和の実感が得られ

肌も自然なつやを取り戻しはじめます



さらに「疲労感が強くて緩和しない」の訴えが加わるのなら

トウキとともに、補気薬・ニンジンを配合した

漢方薬を用いてください


その条件を持つ漢方薬は多くあり基本薬的な漢方薬が

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう/当帰と人参を配合)です


服用すればやはり3日以内で、身体のだるさが緩和するでしょう



追加の不調として、下半身の冷感や

水仕事による湿疹(主婦湿疹)があれば

その発展形の漢方薬・温経湯

(うんけいとう/当帰と人参に、温暖薬を追加)

を用いてください



追加の不調として、不眠や不安を感じたら

漢方薬・加味帰脾湯(かみきひとう/当帰と人参に、安眠薬を追加)を用いて治療してください



寒暖差による不調は、血液循環の不調が原因とされるものです


漢方の視線で捉えれば、血液循環を悪くする生活習慣があり

それは「夜更かし」「目の酷使」「身体を動かさない生活」

の3つです



寒暖差疲労に悩むかたは、血流改善のために

それら生活習慣を改善してください



寒暖差疲労の中には、イライラする精神不調が

強いかたも含まれます



前述の不調と一見重なる「手先・足先が冷える」「眠れない」

「精神的に疲れる」が感じられますが

この場合は温暖薬を用いず

漢方薬・加味逍遙散(かみしょうようさん)などの

ストレス緩和薬のグループで治療してください



追加として、もともと身体が弱く見え

胃もたれするため食事を多くとれないかたは

当面は漢方薬・六君子湯

(りっくんしとう/人参に、胃もたれ解消薬を配合)

を用いて治療してください



今回紹介しました漢方薬は全て

身体に温暖力を補うものです



エキス剤は冷たい水で服用せず

温かいお湯で服用してください




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