【漢方通信11月号】寒暖差疲労
この秋、夏を思わす暑さと、真冬を思わす寒さが
交互に訪れ、温度差が極端に大きくなる傾向があります
激しく変わる気温に身体が対応出来ず悲鳴をあげている状態で
「疲れが抜けない」「心まで疲れてきた」の訴えが増えています
これを世間では、寒暖差疲労と呼びはじめました
厳しい寒さに向かう季節なのは間違いありませんから
生活習慣と食生活で、寒さを緩和する対応が必要です
このような不調を抱えた場合、漢方薬が素早く働きかけ
皆さんのお役に立つものと思います
寒暖の差が激しいときに心身の不調が起きやすくなりますが
急な寒さから血管が収縮するため
血液循環がうまくいかなくなることが原因とされます
西洋医学的な見方では「小さな不調」に思えるものも
不調を抱える本人にとっては重大な事態です
血行促進薬であるトウキを配合した
漢方薬で対応してください
トウキを主薬にした漢方薬・四物湯(しもつとう)
を服用すれば、寒さで滞りがちだった血流がうながされ
悩んでいた様々な不調が消えていきます
3日ほど服用すれば、だるさ緩和の実感が得られ
肌も自然なつやを取り戻しはじめます
さらに「疲労感が強くて緩和しない」の訴えが加わるのなら
トウキとともに、補気薬・ニンジンを配合した
漢方薬を用いてください
その条件を持つ漢方薬は多くあり基本薬的な漢方薬が
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう/当帰と人参を配合)です
服用すればやはり3日以内で、身体のだるさが緩和するでしょう
追加の不調として、下半身の冷感や
水仕事による湿疹(主婦湿疹)があれば
その発展形の漢方薬・温経湯
(うんけいとう/当帰と人参に、温暖薬を追加)
を用いてください
追加の不調として、不眠や不安を感じたら
漢方薬・加味帰脾湯(かみきひとう/当帰と人参に、安眠薬を追加)を用いて治療してください
寒暖差による不調は、血液循環の不調が原因とされるものです
漢方の視線で捉えれば、血液循環を悪くする生活習慣があり
それは「夜更かし」「目の酷使」「身体を動かさない生活」
の3つです
寒暖差疲労に悩むかたは、血流改善のために
それら生活習慣を改善してください
寒暖差疲労の中には、イライラする精神不調が
強いかたも含まれます
前述の不調と一見重なる「手先・足先が冷える」「眠れない」
「精神的に疲れる」が感じられますが
この場合は温暖薬を用いず
漢方薬・加味逍遙散(かみしょうようさん)などの
ストレス緩和薬のグループで治療してください
追加として、もともと身体が弱く見え
胃もたれするため食事を多くとれないかたは
当面は漢方薬・六君子湯
(りっくんしとう/人参に、胃もたれ解消薬を配合)
を用いて治療してください
今回紹介しました漢方薬は全て
身体に温暖力を補うものです
エキス剤は冷たい水で服用せず
温かいお湯で服用してください
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