【漢方通信2月号】まだ寒い季節、くりかえす 頭痛に 漢方薬・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

query_builder 2023/02/01
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頭痛女性


1月末からの寒波襲来により、外気に触れれば、寒さから肌が「痛い」と感じる程です。大雪で暮らしに支障を来すかたもいらっしゃいます。


 皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


やがて訪れる春のぬくもりを、待ち遠しく感じます。


屋外に出て風の冷たさを感じると、頭が痛くなることがあります。

痛みの特徴はチクチク痛(固定性の刺痛)で、おでこや、頭部の左右側面(片頭痛)に起きやすくなります。


それは、寒さによって血液循環が阻害され、痛みが生じている状況です。酷暑にかき氷を食べて、頭がキンと痛くなるのと同じです。急ぎ、身体から冷え(寒邪)を払わなくてはなりません。



 身体を強くあたためる生薬・ゴシュユ(呉茱萸)を、用いてください。

それはミカン科樹の直径1cm程の果実、摘み取ると柑橘類の良い香りがしますが、噛むとコショウを思わす苦味と辛味が感じられ、口の中がビリビリしびれます。まるで、スパイスのようです。


ゴシュユが主配合された漢方薬・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を飲むと、強く身体があたたまり血液循環を正常化するので、痛みが短時間で消えます。40℃程のお湯(お風呂位の温度)で服用するのが良いもの、スパイスのように苦く辛いので服用には慣れが必要ですが、素早く体調を整える良い薬です。


 なお、片頭痛でも、(チクチク痛ではなく)頭が膨張するように感じる痛みは、ストレス由来の可能性が高いので、加味逍遥散(かみしょうようさん)などの抗ストレス薬を用いて治療してください(呉茱萸湯を使用すると痛みが増悪します)。



 ゴシュユの配合薬には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅしょうきょうとう)というものもあります。これは、しもやけの治療薬として知られます。しもやけで困ったとき、この薬を服用しながら毎日入浴し、痛がゆく感じる患部を優しくマッサージすることで、早い回復が可能です。


 寒い時期の体調悪化の多くは、血液循環の悪化から起きています。

暖房や衣類を工夫し身体をあたたかく保つ・毎日入浴すると言った、日常の対応が大切です。


漢方視線での血液循環改善に役立つ生活養生は、まず「早寝・早起きをすること(肝は血を蔵す)」、つぎに「目を酷使しないこと(肝は目に開竅する)」です。また折々に、「身体を動かすこと(散歩がお勧め)」が大切です。これらを行いながら、2月・3月のまだ寒い時期を笑顔で乗り越えてください。



 2月3日・節分(せつぶん)の翌日から、暦上では季節が、春に変わります。しかし、まだ北風に凍える時期です。これは、寒さ極まる頃に、小さな春のぬくもりが芽生えるという見方から、設定されたものです。


ひとの暮らしもまた同様で、苦しみ・挫折など灰色のものたちの中から、あたたかな未来に向けた希望の芽が生じるのだと、そう信じています。



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