【漢方通信3月号】花粉症の苦しみを消したい!(鼻水・鼻詰まり・目のトラブルなど)
今春は花粉の飛散量が多いとされ、そんな情報に接するたび、花粉症(季節性のアレルギー性鼻炎)のかたは心傷めているのでしょう。30年程前までは花粉症の対応は町の薬局・薬店で購入した漢方薬で行うことが一般的で、病院など医療機関はあまり取組んでいませんでした。これは花粉症の不調を、漢方薬がよく抑えてくれるという証になる情報とも言えるでしょう。
花粉症の3大不調は「くしゃみ・鼻水・鼻詰まり」とされ、まるでカゼ症状のようです。鼻の不調でも、「透明な鼻水が流れる」の状況なら、漢方薬がスピード対応してくれます。
それは、漢方薬・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)。
鼻水が流れる状態に、(エキス剤も煎薬も)60℃程の熱いお湯で服用し、服用後は温かい場所で養生します。20分程で身体が温まる感覚が得られ、「鼻水が止まっている」のに気づくでしょう。1~2時間経過後に、また鼻水が流れ出したら追加服用しますが、鼻水が出なくなれば以後服用しなくて結構です。
「服薬後すぐは、冷飲食物を摂らない」「長期服用しても、体質改善には役立たない」「鼻詰まりには用いない(悪化する)」の性質を知っておいてください。
医療機関ではこの薬ではなく、漢方薬・麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を提供することがあります。これもやはり「透明な鼻水」を治療し、鼻詰まりには用いないもの。
配合されるブシ(附子)は、身体を温める最終手段とも言える強い薬効生薬。
最初からブシ配合薬を用いるのではなく、最初に説明した小青竜湯をまず用い、緩解しないときだけ麻黄附子細辛湯を用いるのが良いと理解しています。
後鼻漏(こうびろう)も、「鼻水が流れる」という特徴を持つので、小青竜湯での対応を試みます。流れ出る透明な鼻水はあなたの体液・血液になるはずだった有用成分、流れるままにすれば身体消耗を招くので、必ず薬による対応を行ってください。
鼻詰まりは、肺熱の状況を疑います。クールダウンするセッコウ(石膏)配合薬が良いもの、基本薬は漢方薬・麻杏甘石湯ですが、鼻詰まりの製品効能が記される漢方薬・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)も良いでしょう。辛夷清肺湯にも、セッコウが配合されています。鼻内にびらんが出来る鼻茸(はなだけ)も、初期には鼻詰まりが起きます。セッコウ配合薬を用い、対応いただきたいものです。
ちくのう・副鼻腔炎は、鼻奥に溜まった膿を除かなくてはなりません。排膿に働くキキョウ(桔梗)を配合した漢方薬・排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を用い、必要なら鼻閉改善のために辛夷清肺湯などを併用しながら、治療してください。
目のトラブルは、痛みが強いならクールダウン薬の黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などを用い、かゆみが強いのなら漢方薬・当帰飲子(とうきいんし)や温清飲(うんせいいん)を用いながら、あなたの春の笑顔のため、漢方薬をお役立てください。
花粉症は花粉飛散の刺激により不調発現するものでしょうが、寒暖差による肺不調が「鼻水」の不調を、春の肝気の高まりが「鼻詰まり」「目」の不調を生むのだと理解しています。
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