【漢方通信8月号】8月の漢方/また拡大傾向のコロナ感染と、皮膚病(かゆみ)
今年の8月もまた、酷暑となりそうです。高気温・高湿度で体調を崩されませんよう、毎日の生活習慣に工夫いただきたいと思います。空調や冷たい飲食物を利用するだけではありません、キュウリやトマトなどの夏野菜を食べるとクールダウンに良いものです。苦さを持つ食品、ゴーヤなども、心と身体をともに涼やかにさせてくれます。
新型コロナウイルス感染が、また拡大しています。感染不調当初より発熱・熱感が続きますから、熱病感染症の代表薬と言える銀翹散(ぎんぎょうさん)を、2週間程服用し続けてください。その方法をお勧めします。
発症から5日程経過し陰性になった後も、体調不良に苦しめられることがあります。セキが止まらないかたが、多くあります。激しくせき込んだり、鼻詰まり(黄色い少量の鼻水が生じることもある)に苦しんで、空ゼキ(乾いたセキ)も混じることがあります。
前述の3つの不調があるときは、「セキ止め」「鼻詰まり(少量の黄色い鼻水)」に有効な麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)と、「空ゼキ」に有効な麦門冬湯(ばくもんどうとう)の併用をお願いしています。可能なら、銀翹散も併用することがあります。
他の後遺症として、「頭痛(頭の一部分が膨張する印象)」が頻発するかたがあります。頭の一部に膨張感のある頭痛なら、それは熱症状で起きている頭痛です。前述の3薬はどれもクールダウン薬なので、それらの服用でも良いでしょう。ノド・鼻にトラブルが無いのなら、クールダウン薬(白虎湯や、黄連解毒湯)だけで、対応出来るものでしょう。
外出時にマスクをかけないかたも増えていますが、大人数が集まる場面ではマスクをされたほうが、自衛と言う意味で良いものです。お出かけの際にはマスクを持参し、必要時にお使いください。
暑い時期は、日焼けや汗の刺激が引きがねとなり、「肌のかゆみ」も起きやすくなります。かゆみ・湿疹の不調には、皮膚病基本薬である温清飲(うんせいいん)を用い、かゆみを強く感じるときは、必ず黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を併用してください。服用すれば、短時間で、回復の実感が得られるでしょう。
かゆみが去ったら、温清飲だけを継続的に服用してください。アトピー性皮膚炎というもの、お子さんなら特に、完治させることも出来ると捉えています。日焼けや発汗により肌が刺激を感じ、8月はかゆみを生じやすい時期。何度も、かゆみが再発します。治療をあきらめないで、根気よく取り組んでください。
皮膚病薬は他に、消風散(しょうふうさん)、当帰飲子(とうきいんし/乾燥肌の搔痒症に良い)、十味敗毒湯(化膿性皮膚疾患の初期/江戸時代の名医・華岡青洲が創方)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう/顔や頭の肌トラブル)などがあります。浸出液が多い患部がジクジクする皮膚炎も、夏に増えます。前述の漢方薬に加え、ジクジク対応となる利湿作用・猪苓湯(ちょれいとう)などを併用し、早期回復を目指します。
漢方薬は、それぞれに良い特徴があります。それは、ひとが持つ個性や得意事項と同じです。特徴を知り、それを生かし、病に苦しむかたの力になりたいと願っています。
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