【漢方通信1月号】2024年・新年を迎えて/病なき世に、戦いなき世に
明けましておめでとうございます。2024年、新しき年の始まり、明るい彩りが世に広がるよう祈っています。毎年夢を持ちたいと思い年始に目標を立てますが、それがかなえられるよう、気持ちを高め過ごします。そして何より、各地の紛争・戦争が今年終息しますよう、心より祈っています。
師走頃は、カゼ・冷え症・神経痛・関節痛・夜間尿(夜間頻尿)など、冬に多い病に悩む患者様と応対させていただきました。不調を早く緩和することに、全力を注ぎました。不調緩和のあとは、「これらすべてを予防するには」の視線に移ります。予防には、身体循環を保つことを第一に考えます。
強い不快症状がないのなら、トウキ(当帰)の配合薬を用います。トウキは補血薬(ほけつやく)に区分され、血流促進に役立つ生薬です。漢方薬・四物湯(しもつとう/配合:当帰・地黄・芍薬・川)を基本薬とします。エキス剤は、温湯で食間に服用します。
漢方薬はどれも、病の難所を抜けるための道案内役です。優れた医薬品たちです。
服薬治療と同時に、生活習慣を見直すことも大切です。「夜更かしをしない」「目を酷使しない」「散歩(軽く身体を動かす)」などの習慣は、血流を促進し、早期治療に役立つものです。
冬の不調の対応薬を、考えましょう。『しもやけ』には、漢方薬・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅしょうきょうとう)が良いものです。毎日の入浴と、入浴時の患部マッサージを行いながら、服薬治療してください。患部の状況にもよりますが、3日程で改善が体感出来るでしょう。
『関節痛・神経痛』には、3種の状況判断を行います。最も多い「突然の痛み(風)」には、漢方薬・疏経活血溏(そけいかっけつとう)が良いものです。気温低下の時期に起きる「チクチク疼く痛み(場所固定)」は、血流悪化が主原因、漢方薬・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)や漢方薬・独活寄生湯(どっかつきいとう)が良いものです。降雨や降雪時の「しびれる痛み」は、高湿度に対応出来ないのが主原因、漢方薬・苡仁湯(よくいにんとう)が良いものです。疎経活血湯や桂枝加朮附湯は特に、早期改善が見込めそうです。これらの服薬治療は、寒さが残る3月末頃までは継続服用するのが良いでしょう。
『夜間尿(早朝、尿意で眠りから覚めてしまう)』には、テレビCMが流される漢方薬・八味地黄丸(はちみじおうん)も良いものです。しかし症状を詳しくお聴きすると、八味地黄丸が合わないかたも相当数あることが分かります。常に疲労を感じる、気虚タイプのかたなどです。体質に合わせ、漢方薬・真武湯(しんぶとう)や、他のニンジン配合薬を服用いただきます。
患者様のデリケートな体質に合う漢方薬をアドバイスが出来るのは、知識をしっかり学ぶ者だけです。一心堂薬局では、毎月のズーム研修を行うことで、医療資格者の知識向上を図っています。本年もまた、一心堂薬局各店に足をお運びください。

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