【漢方通信12月号】冬の寒さは、痛みを運ぶ/神経痛・関節痛
10月末までは、残暑の暑さを引きずったままの、異常な今年の気温。「クリスマスも半袖で過ごせるのでは」と、 そんな予想さえあったのですが、11月中旬からは冬の気温へと変わりました。
寒くなると、ひとは身体不調を抱えやすくなります。カゼ・冷え症・頭痛、そして様々な慢性病など。
「神経痛・関節痛」も、冬の入口から悩むかたが増えるものです。
神経痛とは、ピリピリ・ジンジン・電気が走るように痛むこと、末梢神経が刺激を受けることから起きるとされます (坐骨神経痛、三叉神経痛など)。
関節痛とは、関節部位に痛みが起きること、さまざまな病変や経年変化(軟骨の減少)により痛みが生じます。 寒い時期に起きる神経痛・関節痛は、その多くは、腰から下が「ぐっと冷える感覚」とともに訪れます。そして突然痛みが襲い、その後続くことが多くなります。
漢方薬・疎経活血湯(そけいかっけつとう)を、服用してください。 お湯で、食間(空腹時)に服用してください。服用により胃への負担感があるのなら、食後(20分後程)に服用し てください。
効果は1~3日後に現われるでしょう。そこで止めてしまわず、1カ月程は服用してください。出来れば、寒さ残る期間中は継続服用してください。
これは「痛みを止める薬」であり、「再発を防ぐ薬」でもあるのです。
暮らしのなかの養生は、薬の効きを高め、痛みを消すために重要です。
「早寝・早起き」「目を酷使しない」「散歩をする」などの、血流改善のための生活習慣を意識しながら、疏経活血湯を服薬することで痛みを改善して ください。
寒さがとても強い状況なら、(前述の)疎経活血湯に、温補薬のブシ(附子)を併用してください。
煎じ薬が最も改善効果が良いものですが、煎じるのに手間がかかり、においも気になるかたがあるもの。エキス剤を2種・3種 併用することで、治療することもあります。
エキス剤疎経活血湯に、ブシを配合した桂枝加朮附湯(けいしかじゅ つぶとう)や真武湯(しんぶとう)を併用してください。
下腿の寒さが緩和したら、疎経活血湯だけの服用に戻し、 1カ月程は継続服用してください。
降雪地帯・河川環境などにお住まいのかたは、冬でも高湿度であることがあります。神経痛・関節痛の痛みが 「しびれる」「締めつけられるよう」「重怠い感覚」であるなら、高湿度が招く痛みと言えましょう。
薏苡仁湯(よくいにんとう)で、治療をしてください。
改善の感覚を得るのに時間がかかり、3~5日程かかることがあります。継続 服用することで改善に良いと分かれば、春までの3ヶ月程(日本海では降雪による多湿が続く)は続けてくださ い。
リウマチならば、痛みや熱感が強く、関節の変形もともなうことがあります。疎経活血湯に、ジリュウ(地竜)エキスを併用し対応します。
通常の神経痛・関節痛は、3つの疾病要素(風・寒・湿)から起きていますが、リウマチ では炎症が強いため、ひとつが変化し(風・熱・湿)になっています。寒が、熱に変っているのです。
ジリュウ(地竜)エキスは、ここで生じる熱状況(激しい痛み、熱感)に対応し痛みを抑えるための薬物です。 神経痛・関節痛、そしてリウマチも、毎日お風呂に入ることで身体循環を維持し(血流維持)、痛み改善への力にしてください。
漢方について・食養生についてなどの情報をYouTubeやLINEでも配信しておりますので、ぜひご登録よろしくお願い致します。
NEW
-
query_builder 2024/12/01
-
【漢方通信11月号】夏日が残る冬・異常気象/カゼの漢方対応
query_builder 2024/11/01 -
【漢方通信10月号】耳鳴りの漢方対応
query_builder 2024/10/01 -
【漢方通信9月号】子宝相談/新しい命のために
query_builder 2024/09/01 -
【漢方通信8月号】テーマパークで、夏の思い出作りをするために。
query_builder 2024/08/01
CATEGORY
ARCHIVE
- 2024/121
- 2024/111
- 2024/101
- 2024/091
- 2024/081
- 2024/071
- 2024/061
- 2024/051
- 2024/041
- 2024/031
- 2024/021
- 2024/011
- 2023/121
- 2023/111
- 2023/101
- 2023/093
- 2023/084
- 2023/073
- 2023/063
- 2023/054
- 2023/043
- 2023/033
- 2023/023
- 2023/014
- 2022/123
- 2022/114
- 2022/104
- 2022/094
- 2022/084
- 2022/075
- 2022/064
- 2022/054
- 2022/045
- 2022/036
- 2022/024
- 2022/016
- 2021/124
- 2021/113
- 2021/103
- 2021/093
- 2021/083
- 2021/074
- 2021/062
- 2021/055
- 2021/044
- 2021/034
- 2021/023
- 2021/014